以前紹介している内容なんですけど、改めて。
日本では2006年に公開された、スーパースター・ラジカーント主演作が『チャンドラムキ』です。
150年前、暴君に殺された踊り子「チャンドラムキ」の怨念を、ラジニ扮するアメリカ帰りの精神科医・サラヴァナンが打ち砕く!!
【あらすじ】
主人公・サラヴァナン(ラジニカーント)は、親友・センディル(プラブ)の結婚を祝いに1年ぶりでインドに帰国したアメリカ帰りの精神科医。
センディルは古い王の館を購入して住むことにしたが、相場の1/10という破格物件。実はこの館には極めて不吉な言い伝えが……。
150年ほど前、この館で暮らしていたのは、強欲で残虐な王だった。王は、隣国で見かけた美しい踊り子・チャンドラムキを妾にするため、力づくで連れ帰った。
しかし彼女には舞踊手の恋人がいた。彼女は恋人を密かに呼び寄せ、館の向かいに住まわせて密会を重ねていた。
が、やがて密会は王に発覚。激怒した王は彼女の恋人を斬首、チャンドラムキも火あぶりにした。
非業の死を遂げた彼女の怨念は極めて強かったため、王は霊能師を集めて祈祷を行い、彼女の遺灰を壺に納め、部屋を封印した。
王はその後数年で死んだ。が、王の死を知らない彼女の魂は今でも部屋に留まり、復讐の機会を窺っているという……。
センディルは「そんな話は迷信だ」と一笑に付し、妻・ガンガ(ジョーティカー)と、彼らの身を案じてしばらく同居することになった親族達と共に、王の館での生活を始める。
しかし、急な仕事でサラヴァナンが館を離れている間、さまざまな不吉な出来事が多発。
思い悩んだセンディルは、サラヴァナンを呼び戻す。
騒ぎの原因は、庭師の孫娘・ドゥルガ(ナヤンターラー)ではないか……と、センディルをはじめ、館に同居する皆が思い始めていたが、サラヴァナンはセンディルの妻・ガンガの言動に違和感を感じていた……。
今回の騒動の原因は!?
本当にチャンドラムキの怨念は残っているのか!?
スーパーマルチ才能を持つサラヴァナンの活躍が始まった……!!
【見どころ】
まず注目は、お約束のラジニ初登場シーン。
過剰なまでのカメラワークとワイヤーアクション、CGのフル活用で、ラジニ映画史上もっともド派手な殺陣を披露!!
そして、細かい齟齬なんて気にしない、強引なストーリー展開ももちろん健在。
さっきまで主人公・サラヴァナンと敵対していた霊能師が突然サラヴァナンを擁護!!
「実はあの後2人で話し合って、彼がすばらしい人物だと分かった」
その「実は……」式の事後補足は、インド映画ならではのお約束。ちょっと慣れると、むしろ爽快。
そして、踊り子・チャンドラムキの悪霊に取り憑かれたガンガ役の女優・ジョーティカーがの鬼気迫る演技は必見!!
目をかっと見開き、本当に何かに取り憑かれたかのような表情は、お見事の一言。インド舞踊では「目で表情をつける」のですが、お見事の一言です。
これまでのラジニ作品と比べると、間違いなくストーリーの整合性やテンポ、バランスなどは良くなっています。
これまでにインド映画を観たことがない人がいきなり見ても、「面白い!!」と感じると思います。
「ラジニカーントは、南インドのスーパースター」
「心情描写の一環で、とにかく歌う・踊る」
「敵対してた人物が手の平返して味方になっても、寛大な精神で許す」
「ストーリー展開は強引で、細かい部分で破綻してたりするけど、強引にフォローが入る」
この辺の事情を知っていれば、より一層楽しめると思います。
【まとめ】
ラジニカーント主演作としては、娯楽の『ムトゥ』、任侠の『バーシャ!』の2作品が双璧をなしていました。
これからは、これに『チャンドラムキ』を加えても良いでしょうね。
チャンドラムキ 踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター
【発売】バンダイビジュアル
【ジャンル】映画DVD
【発売日】2007年4月25日
【税込価格】5,0400円
【メディア】DVD 1枚
【備考】収録時間:165分