1週間前のことでしたが、陸上自衛隊が開発中の新戦車
「TK-X」の試作車を初めて公開しました。
・陸自が新型戦車「TK-X」公開(産経新聞 2月13日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080213/plc0802131146007-n1.htm
(写真も産経新聞から)
記事によると、平成22年度(2010年度)からの装備化を目指す……とありますので、予定通りに開発が進めば「10式戦車」(あるいは制式化が早ければ「09式戦車」かも)になるはずです。
この戦車の特徴は、より重く・より大きくなってきた世界の新型戦車の中にあって、
より小型に・より軽くというコンセプトで開発されていることです。
74式戦車並みのサイズで、90式戦車以上の戦闘力を有することを目的に開発されています。
これは、前の90式戦車が重くなりすぎて(50t/それでも諸外国の戦車より10tは軽い)、北海道以外では使いにくい戦車になってしまったことへの反省があります。
「TK-X」は、
44t。
戦車用のトランスポーターに搭載すれば、特別な準備を行わなくとも全国各地へ展開できるという、高い戦略機動性を有しています。
ここで注意が必要なのは、
コンパクト化=防御力が低下ではない、ということです。
小型化すると、重量がかさむ装甲板の面積が減少するため、全体の装甲重量を抑制することできます。
次の特徴が、装甲を
外装式で
モジュール化し、必要に応じて
着脱や換装が可能だということ。
輸送時は装甲モジュールを外してしまえば重量軽減できますし、将来より効果的な装甲モジュールを開発できればそっくり取り替えてしまうことも可能です。
また、高度なデータリンク(C4I)により、他の戦車やヘリと戦場の情報を共有できるというのも特徴です。
さらに、90式では前後方向のみに簡略化されていた油気圧サスペンション(サスペンションの位置を油圧で可変できる装置)が74式と同様、前後左右に機能するようになっています(姿勢を自由に変更できます)
年に10両程度しか生産されなかった90式とは異なり、ある程度まとまった数が生産されることになるとは思いますので、遠くない内に各地で見ることができるようになると思います。