
毎週木曜は、下館から常総線→つくばエクスプレス経由で都内の事務所に出勤していますが、昨日守谷まで乗車したのが、キハ350形(キハ358+3511)の2両編成でした。
キハ300形/350形は、鉄道好きな人ならご存知の旧キハ30/35系の車両です。
キハ30(両運転台・トイレなし)、キハ35(片運転台・トイレ付き)、キハ36(片運転台・トイレなし)は、国鉄時代に非電化通勤路線向けとして製造され、電化前の八高線や関西本線などで活躍。
しかし、これらの路線は電化されるたため、まとまった両数が余剰となりましたが、関東鉄道が引き取って常総線に大量入線してきました。

以前の関東鉄道は「気動車天国」と称され、種々雑多、出自もさまざまなディーゼルカーが多数ひしめく状態でした。1両1形式なんて車両も。
しかし、言い換えれば、その分整備・維持は大変。キハ30/35系を大量導入した裏には、整備の煩雑さを解消し、効率化を図る目的もあったわけです。
入線時点で既にキハ30/35系も十分「老兵」だったのですが、さらなる「長老」達に引導を渡し、すっかり一大勢力として定着しています。
「老兵」の中には廃車となったものもありますが、多くはエンジン換装・変速機換装・冷房装備と更新工事を受けて、現在も現役です。
塗装は、キハ2100形以降の新形式とは異なる「常総線標準色」。クリームの地に、オレンジの太線と茶の細線が入っています。

乗車してみると、元キハ35だったことを示す痕跡――トイレを撤去した跡と、トイレ側を向かないように設置された座席――が明確に分かります。
両車とも更新工事を受けていて、シート下の暖房吹き出し口も現在の関鉄標準仕様です。
台車やシートも古いままなので、乗り心地は新形式に比べると劣りますが、そもそも今の常総線は線路・路盤の状態が良いので、ほとんど問題には感じません。
経年は進んでも、更新工事を行って働き続けるキハ300形/350形。
元々の活躍の場からは追われても、「気動車天国」常総線での活躍はまだ続きそうです。